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一杯目の飲み物は乾杯するためにある

はじめに  前回の初回投稿にて、ひとつの社会人的な飲み会を網羅した記事を書いた。今回はより基本的で、しかし、なかなか人が指摘してくれないことを書く。それは、一杯目の飲み物を選ぶプロセスについてだ。 1.一杯目を頼むのに飲みたいドリンクをメニューから探していないか  ドリンクを注文するのにメニューから探すのは当然じゃないか。そんな声もあるのかもしれない。いつも飲んでいるドリンクが、その店にはあるのか。それは、この店ではいくらなのか。そのなかで今日の気分に合ったドリンクはどれなのか。楽しいドリンク選びの時間である。  このような楽しいドリンク選びは二杯目を頼む時までとっておこう。一杯目の飲み物は乾杯をするという目的のためにあるのだ。飲み会は「おつかれ!」でも「おめでとう!!」でも、全員で乾杯してから始めるものだ。この参加者全員のお祝いの気持ちに勝るドリンク選びなどない。ひとりの選ぶ楽しみのために他の参加者を待たせる必要はない。 2.一杯目の飲み物は「いつ」「どうやって」選ぶのか  参考になるのは、スターバックスでラテ以外の飲み物を注文するときの状況だ。洗練されたお洒落な店内に入ると「いらっしゃいませ!」「こんにちは!」とパリッとした店員さんの声が響く。店内を見まわして、先に席を確保しなければならないほど混雑していなければ、向かう先は注文するためのカウンターだ。あなたはカウンターで、店員さんと、あなたの後ろに並んだ他のお客さんを待たせて、あれこれと何を注文するか迷うだろうか。  極端なことかもしれないが、一杯目の飲み物は、飲み会が開かれるお店が決まった時から考え始めて店内に入る時には決めておく。生ビールをその店にある銘柄から選ぶのか。ハウスワインの赤か白をグラスでもらうのか。瓶ビールにこだわりのある参加者がいて、その参加者のそばに座るのに、同じ瓶ビールをいただくのか。ウーロンハイにするか。店員さんも他の参加者も待たせずにスパッと一杯目の飲み物を頼む頭の準備をして店に入る。 3.もちろんメニューは開いて飲み物を選んだらよい  「一杯目は店に入る前に決めておく」と書いてしまうと極端だ。当たり前だが、その店にあるドリンクは店に入らないと分からない。ドリンクのメニューを開いてみることは重要だ。何のために重要か。お店のメニューにないド

飲み会の作法はなぜ必要か

はじめに     「飲み会の作法」とは何か。これは礼儀作法にとどまらない実践する方法があることを意味する。この方法がなぜ必要か。飲み会をただ楽しいものから、何かを得る場へと一段あげることが長い人生において有意義だからだ。  このような飲み会は勤め先の仲間同士で集まって望まれるかたちではないかもしれない。しかし、何かが得られる場としての飲み会を部署内の人員転出・転入のような節目で行っているところは現在も実際にある。例えば公務員の歓送迎会やレクリエーション後の会はこれにあたる。  作法というと細かくて多くありそうだ。気にしはじめたら切りがない。そんな中で、とても実用的で得られるものが多く、やろうと思えば誰にでもできること3つから、なぜ飲み会の作法を知っていて実践できることに意味があるのかについて答えたい。 1.座布団を踏んで立たない     社会人の飲み会ではテーブル席ではなく座敷を利用することが多い。この座敷での正しい振る舞いを知らずに損をすることがある。それが「座布団を踏んで立つ」ことだ。なぜそうしないのかという理由は重要ではない。ただ、「座布団を踏んで立つ」ことをする姿を見て評価している大人がいることを知ればいい。これはもちろんよくない評価だ。  作法であるから、できていればそれでよいのだ。会の終わりに手を叩くとき。転入したところで自己紹介するとき。転出する元の部署で挨拶するとき。このときに座敷で立つ場合は座布団を踏んで立たない。座布団は避けて床に立てばいい。 2.挨拶する人の話は聞く     飲み会には2つの酒の肴がある。ひとつは目の前に運ばれる料理。もうひとつは会で挨拶する人の話だ。どちらの酒の肴が重要かは説明の必要がないだろう。料理がうまいことは会が盛り上がることにおいて重要だが、それによって会での経験が有意義になることはない。挨拶する人の話は次の節でいかに役立つか述べるが、それ以前に飲み会で人の話を聞くことは、その後の飲み会人生で役に立つ。特に人が立って会の参加者全員に向かってする話に注目しよう。  立って話す人を見てどのような印象を受けるか。話し手は会で挨拶するために準備をしてきているか。準備をしていそうであれば、その準備は何のためか。その準備によって話し手がした話から何かが伝わってこなかったか。このように一度の飲み会から